今回、参加者のizaura(vo)、善積ひろ子(dance)両氏よりレビューをいただきました。
今回は少人数ではあったが、内容の濃いセッションであった。
初参加は、パーカッションの石坂亥士さん。フルート上野さんの知り合いで、即興のガチなお方だという噂を聴き、楽しみにしていた。
まずスタートは3人。ダンサーじゅんじゅんさんの手引で丁寧に身体をほぐし、身体を使ったワークをした。中でも、全員でタイミングを合わせて、動いて、止まる。というワークは面白かった。まずは2人で、3人でと、動きの呼吸を合わせる。次第にコツがわかるようになる。目を閉じるまでは難しいが、視覚とプラスαの感覚を使い、同調するイメージ。即興には、相手の気を感じて、同調することも大切な事である。
そして、亥士さんが登場。今回は大きなジャンベを持参。初参加ということもあり、まずは亥士&じゅんじゅんの二人による即興が始まった。亥士さんの音圧と迫力のあるパーカッション。じゅんじゅんは、その音に鼓舞されるかのように、反応し踊る。ほとんど休む暇もないほどの力強いリズム。絶えず踊らせる強制力のあるビート。それを見ていて、混ざりたくなった上野さんのフルート。わずか6分あまりだが、目の離せない即興は見応えのあるものだった。
その後、 私も混ざり即興してみる。上野さん曰く、私の即興には受け身の傾向があるとのこと。なるほど確かに。。私がイニシアチブを取って、彼ら3人を踊らせてみるという試みをやらせて貰った。これが面白くもあり、なかなか難しかった。
亥士さんの即興は、迷いがない。逆に迷いがあると、相手にもそれが伝わるらしい。彼は瞬発的に即興をするらしい。彼はそういう境地なのかと妙に納得し感心した。イニシアチブを取るにしても、迷いなく。意思のある即興が大事なのだろう。
後半に、ひろこさんが登場した。彼女はバレーを土台とした踊りをするのだが、最近、この即興セッションに於いて様々な試みを提案してくれる。前回は紙コップを使って。今回はビニール紐。この小道具を使い、ステージに抽象的な制限を加えることによって、新たな舞台ができあがる。ビニール紐は、椅子と椅子の間を縦横にはりめぐらされ、その上を飛び越えたり、潜ったりと、立体的に踊った。おかげで、踊りは専門ではない、私や上野さんも踊りやすくなった。さらに亥士さんのタイコで、汗だくになるほど踊り、声をだす。
セッション終了後に、プチ打ち上げ的に、皆でコンビニで買ったビールで乾杯。踊ったあとのビールは格別に美味しかった。さて今後の課題は、歌をもっと瞬発的に即興してみたいということ。そして私が今学び中である、臨床の即興音楽といかに異なるのか?ということも合わせて検証してみたい。
文責:izaura
相手を分かろうとすること
太鼓の音ドラムの音タップの足音木琴を叩く音何かを刻む音と言うのは、じっとしてられない。からだを脈動させるものがあると思います。生まれた瞬間から聴こえる胎児が聴くお母さんの心臓の音。心臓の拍動の音。
7月28日やにわにセッションに参加しました。到着するやいなや、ドアを開けた途端に頭蓋骨の延髄まで響く和太鼓の音にワクワクしました。やにわにセッションに、和太鼓奏者が参加されたのは初めてではないでしょうか。いつもライブで聞くような軽快で心地よいものとは違う、脈打つ動脈のような激しくて、ビリビリくる、でもどこか懐かしい和太鼓のおと、オト、音。dancerじゅんじゅんさんが、狂ったように踊っていました。
パーカッションの亥士さんの和太鼓は、風林火山のようです。私は2人のパフォーマンスの見ている間、鳩が豆鉄砲で打たれたかのように、あっけに取られて釘付けになり目が離せませんでした。次から次へと繰り出される音に、じゅんじゅんさんも、これでもか!と舞い踊っています。かれこれ20分ほどでしたでしょうか。
ミュージシャンや、dancerの方にとって、お互いの音や、距離感を見てパフォーマンスするというのは当たり前のことだと思います。私はこの即興のセッションにおいて、毎回ハッとさせられるのは、個人個人のコミュニケーションが音楽とDANCEだけで言葉や顔の表現と同じように成り立っている。という驚きと、コミュニケーションについて考えさせ直される場ということです。
つまり何が言いたいかといえば自分の常日頃の日常生活にも通ずることが多々あり、自分自身を振り返り、反芻し、考え直して、友達、上司、同僚、親戚などあらゆる人とのかかわり合いやトラブルに臨機応変な即興、冷静な付き合い方に置き換えて考え直させる場になっているということです。例えば友達が思い悩んでいるとしたら、思いの限り聞いてあげよう例えば旅行に行ったと話せば、あれやこれや質問してみよう例えば赤ちゃんができたといえば、名前について話そうそう言ったありふれた日常の生活の中での自分のコミュニケーションについても、やにわにセッションでは、音、DANCEの【やりとり⠀】から、考えさせてもらえる、素晴らしい機会です。
今回のやにわにセッションに、私はビニール紐を持ち込みました。何も無い空間をさえぎってみたら、皆かどんなダンスをするのか見たい。と思ったからです。蜘蛛の巣のようにピアノも、パーカッションも絡みつくように糸を引くように張り巡らせてみました。面白いことに、不思議と皆が同じような行動をします。でも、そういった場面で自分らしく主張しながら、音や、皆の動きに合わせてちゅうちょしないと言うのが難しい。もちろん、皆の雰囲気や、皆のコミュニケーションも崩さずに。そういったことは、日常生活にもありふれている。もし、こう話したらどうだったかな?どんなふうに話が変わっただろう?こうしたほうがよかったかな?間違いだったかな?そんなこと、毎日のようにありますが、まさに同じように考えながらセッションが進みます。
上野さんのフルートイザウラさんの歌声このセッションで、毎回、「いいな!」と思うのは、パフォーマンスの後に率直に善し悪しを言い合うことです。とても、真面目で真剣なセッションです。いい所も悪いところも腹を割って全員で話し合って、考え直して、語り合い、復習する。そうすると何だか全員が一致団結するというか、仲良くなる雰囲気が毎回産まれます。
相手がどのように打って出てくるのか分からない。けれど、相手を分かり合おうとすること。聞こうとすること見ようとすること自分らしく主張することでも輪を乱さないことそんな、お互いを認め合うこと、何だか楽しいです。共演者を認め合う気持ちに気が付かされるセッションでした。
文責:ひろ子
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